HACCPの義務化

昨年から新型コロナウィルス(COVID-19)によるパンデミックが止まりません。こちらは現在も継続し、ここへきてデルタ株の発症者が急激に増えています。

それだけではなく、水害の方は数年前から台風等による大雨が猛威を振るい、数年前の関西の台風、一昨年の台風15号・19号に引き続いて今年も前線の影響で九州や中国地方を中心に大雨による災害が続いているという非常に厳しい自然災害に見舞われています。

被害に遭われた方にはお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を祈っております。

さて、これだけ色々リスクが顕在化すると、BCMもやることが多すぎて何から手を付けていいのやらという感じです。

そのような中で、ですが、飲食店や食品製造業者といった食品関係の事業者にはもう一つ手を付けなければならないものが増えてしまいました。

それは改正食品衛生法の施行です。

令和3年6月1日、我が国の改正食品衛生法が施行され、HACCPが義務化されました。

概要は、以下のサイトに概要が掲載されています。

HACCPに沿った衛生管理の制度化https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kaisei/haccp.html

しかし皆様あまりご存じないようで、飲食店の方に聞いても知らなかったといわれることが多々ありました。

そもそもHACCPとは何なのか。なぜHACCPが義務化されたのか。
ご存知でない方もいらっしゃるかと思いますので、順を追って説明していきたいと思います。

まずHACCPとは何でしょうか?
これはHACCPとは以下の単語群の略で、危害分析必須管理点と訳されます。

ざっくりいうと、食中毒等が発生しうるポイントを分析し、重要なポイントを継続的に管理等することにより、これらを未然に防ぎましょうというものです。

H・・・hazard=危害
A・・・analysis=分析
C・・・critical=必須
C・・・control=管理
P・・・point=場所・工程

例えば飲食店の場合、材料の納入や保存、調理、保管、提供といった手順があり、それぞれリスクが顕在化する要因があるわけです。

牛乳をテーブルの上に放置して菌が繁殖してしまった、従業員がトイレに行った際に手を洗わなかったため菌が食材や食器に付着してしまったなどが考えられるわけです。

このようなことが起こらないように、現状を分析し、といったシステム化(計画、手順の文書化と記録の保管等)をして、リスクの高いところを重点的に管理しましょうというものです。

ちなみにISOにも食品衛生の分野は存在し、ISO22001がこのHACCPにあたります。

日本でもJFS(一般財団法人食品安全マネジメント協会が作成した規格)という規格があり、同じようにHACCPのような管理をすることになっています。

当協会のメンバーでも対応できる方がいるので、導入を検討されていらっしゃる方はご相談ください。

なぜ義務化されたかということについてですが、これは世界的な流れです。

実は以前から世界的に食中毒防止が課題とされてきたのです。
観光という観点から食中毒防止が注目されています。
そこで、HACCP(ハサップと読みます)の義務化が世界的に進んだのです。

ちょっと遅めの韓国でも10年近く前に法律ができており、このようなことには敏感な欧州などはそれよりずっとまえに義務化されました。

我が国は先進国の中では、この方面で少々遅れをとっていたというのが実情です。
そこでいよいよ法令により義務化となったわけです。

平成30年に法改正し、今年6月から施行されました。

しかし新型コロナウィルスの第5波と重なってしまったためこちらが優先されてしまいそうで、何とも間が悪いことになってしまったものです。

では、施行されて何か変わるのでしょうか。
小規模企業の多い飲食業界です。
義務化して効果があるのかという疑問はあるでしょう。

これはあると考えられます。
飲食店や食品製造業は基本的に許可制です。
つまり許認可が必要となっています。

官公庁の資料を読む限り、ここで許認可の更新の必要書類として、今すぐではありませんが、HACCPが求めている計画、及び記録類を提出する必要が出てくることになります。
ですから変わらざるを得ません。

とはいえすぐに、というわけではないようですが、やらなければ事業ができないというリスクになっていきます。

飲食店などは非常に厳しい状況ではありますが、逆にHACCP導入の良い機会だととらえて、今HACCPを構築し、よりリスクに強い事業体へと体質を強化させましょう。

特に飲食店の場合、今なら保健所が指導してくれそうな雰囲気があります。
今のうちに相談してみてはいかがでしょうか。

東京都の保健所は、以下のサイトに掲載されています。

東京都福祉衛生局 都保健所一覧
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/hc.html

しかし、ある程度の規模の企業などはそのようなわけにもいかないものと思います。
そのときは当協会にご相談ください。HACCPによる手順の作成や記録の残し方につて、一緒に検討し、構築しましょう。

 

 

 

監視及び測定のための資源の審査

ソフトウェア開発会社の定期審査の前に、品質マニュアルを確認していたら、「7.1.5 監視及び測定のための資源」を適用不可能にしていることに気がついた。

どうしてだろうかと、審査の中で聞いてみたいと思った。

当受審組織は、登録審査から約15年が経過していた。

審査が始まり、まず管理責任者面談になり、確認してみた。登録審査以降、過去審査員、審査機関から適用不可能にしていて何ら問題になっていないという。

監視及び測定の資源は、検査、試験にハード及びソフト的な機器・装置を使用していないと説明があり、審査員、審査機関は、了解しているという。

時間があまりなかったので、個別のプロジェクト審査で確認することにし、管理責任者が同席することになった。

最初のプロジェクトで、スケージュール管理(監視)は、どのようにしているかを尋ねると工程表:ガントチャートが出てきた。

これは、工程を監視しているものですね。

受審組織の担当者は、はい、そうです、とあった。

ソフトウェアの完成度は、どのようにしてみていますか。

開発日程とバグの摘出状況を見るバグ死滅曲線を作成して管理していますとあった。

これら、ガントチャートやバグ死滅曲線が、監視及び測定のための資源ですと話し、皆さんは、監視及び測定のための資源を利用しているのです。

これらは、校正を必要とするものではないが、皆さんは、7.1.5項を適用不可能にしているが、実際は、適用しているのです。

また、「9.1 監視,測定,分析及び評価」と関連してみていくと良いです。

何を監視、測定するかを決めて、どのような手段(ハード的な機器・装置、ソフトの利用、図や表、QC7つ道具等)を説明し、9.1項、7.1.5項を絡めていけば了解されるでしょうと話し、了解を求めた。管理責任者も同席しており、このような話しは、過去から、一度も聞いたことがないという。

有効性評価

2021/7に審査した受審組織では、上司から部下に対する助言、アドバイスを「ワンポイントアドバイス」として管理する制度を設けて、一覧表を作成していた。どんな内容か、一覧表を読んでみたが、小さな指示や大きな指示があり、それらについて簡単な助言(アドバイス)が記載されていた。

必ずしも提出する件数の目標はなかったが、全社的取り組みで、業務のケアレスミスの防止やプロセス間(他部署間)の行き違い防止に役立っていた。いい制度だなと思った。

そこで、再度一覧表を見直した。同じアドバイスはないかを確認した。見た限りでは、同じものはなかった。

受審組織にこの制度の有効性をどのようにみていますかと聞いた。すると今のところ、有効性を必ずしもみていないとあった。ISO9001:2015 ではパフォーマンスを求めており、有効性を確認するように仕組みを追加したらどうかと提案した。

また、有効性をあげるために活用方法を検討するのも良いだろう。一覧表を基に部下への教育資料として活用することも検討に値する。

有効性の1つに同じようなアドバイスがないかをみていくのも良いだろう、定着して、効果を上げていると評価するのも良いのではないかと。また、業務の生産性、金額換算等でみていくのも良いのではないかと考えながら、審査の改善の機会にした。受審組織も受け入れてくれた。

情報や記録の価値

ある事象に対する情報やデータ**をある意図をもって解釈し、その価値を誇張したり、強調して編集され、加工されて伝達される、これが情報操作である。一般的に、悪い意味で用いられることが多い。報道機関にあっては、この行為は、本来の情報の価値を失うばかりでなく、人心を惑わし、扇動するリスクになりかねない。リスクとしてこれほど怖いものはない。やってはならない行為であり、禁じ手である。

 情報は、客観的事実を根拠にありのままに、迅速に、利害関係者に伝えてこそ利用価値がある。

何が起こったかの事実(事象)は、たった一つしかない。一つしかない事実が、立場によって意図が働けば、受け止め方も解釈が異なり、公平性に欠けることになる。例えば、原告と被告の関係、加害者と被害者の関係、製品やサービスに対する顧客満足評価の関係も製造側とユーザーとで異なることがよくあり、訴訟や賠償、製品品質問題、クレームなどが発生する。これらの事象は、あくまでも事実をよりどころとして利害関係者間で生ずる問題を社会通念、原理原則に照らし合わせて調停・裁定し、解決される。

しかし、これらの案件がある部分しか知らされないとか、誇張されて報道されたりとなれば、報道機関の責任は重大である。国際社会において将来の方向性のない、短絡的な考え方や営利目的に主眼を置いた偏った報道に終始すれば、間違いなく、国の将来を危うくする。

スポンサーも過大広告、宣伝に固執すれば、民衆の支持を失う。誘導するリスクを負っていることを常に自覚する必要がある。アスリート、観客、視聴者という顧客があってこそのスポンサーであることを認識することである、例えば、オリンピック開催時期を開催国の都合や気候を最優先すべきであり、スポンサーの意向で決めるものではない。このような短絡的な考え方に固執すれば、ゆくゆく、本来の顧客(スポンサーファーストではない)を失い、オリンピック精神に反し、衰退の一途を辿ることになるであろう。金が掛かり過ぎるという理由で積極的に開催国として名乗りを挙げる国や都市の減少傾向がすでに始まっている。

一方、記録の価値とは、何故、記録をとる必要があるかは、システムや仕組みを維持・改善するために記録をとる場合と計画目標に対する達成状況を評価(検証)するための2つがある。いずれの場合においても検証で最も重要なことは検証データをどこまで掘り下げて客観的事実として捉えることができるかであり、そこから先は推測(仮説)しかできない領域であることを明確に切り分ける必要がある。とった記録がどこまで客観的事実として分かったこととして利用できるかをはっきりさせる。つまり、とった記録に推測も含めた拡大解釈の重荷を課してはならないのである。それを許すと、折角とった記録が、次の段階で適切な見直し計画を立てることを難しくして効率の良い、有効な検証データが得られない、無駄な計画になり兼ねないのである。事実か推測かを明確に識別することは、見直し計画の最適化に不可欠な前提条件を提供していると言っても過言ではい。

 

*情報:意味のあるデータ、**データ:對象となる事実

注)用語の定義は、ISO9000:2015「品質マネジメントシステム-基本及び用語」による。

                      

執筆:佐野 興一

令和2年度 BCP実践促進助成金

新型コロナウィルス(COVID-19:略称「新型コロナ」)が猛威を振るい始めて早半年が経とうとしています。
ロックダウン等の施策や自主的な対策により一時は治まっていたものの、夏本番を迎える現在、新型コロナは再度流行してきています。

今回は、経済的に余裕がないという理由で国では有効な対策があまり打てていないのが現状で、春先の対策が元の木阿弥になってしまうのではないかと懸念されます。ここにおいて、企業や組織も自主防衛が必須となっていると考えられるでしょう。

そのような中、東京都では中小企業者等が策定されたBCPを実践するための設備等の導入に要する経費の一部を助成する助成金、「BCP実践促進助成金」の申請者を募集しています。

BCP実践促進助成金
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/bcp.html

助成対象事業者は以下の通りです。
下記(1)~(3)のいずれかの要件を満たしてBCPを策定した中小企業者(小規模企業者)及び中小企業団体
(1)平成29年度以降に公益財団法人東京都中小企業振興公社(以下:公社)総合支援課が実施する「BCP策定支援講座(ステージ1)」を受講し、受講内容を踏まえたBCP
(2)中小企業強靱化法に基づく「事業継続力強化計画」の認定を受け、その内容に基づいて作成したBCP
(3)平成28年度以前の東京都又は公社が実施したBCP策定支援事業等の活用により策定したBCP

助成対象経費は、策定されたBCPを実践するために必要な設備・物品の購入、設置に係る費用全てで、助成上限額も1500万円(下限額:10万円)とかなりの額が助成されます。

助成率も1/2~最大で4/5と、東京都の本気度がうかがえます。
対象事業者のハードルが少々高いかもしれませんが、会社が新型コロナのクラスターになってしまうと存亡に関わる問題になりかねません。

東京都の中小企業におかれては、本助成金を活用して、この機会にぜひBCPを構築していただければと考えております。

もし本助成金についてご相談等ございましたら、お問合せフォームよりご相談ください。

今こそBCM・BCPの構築を!

新型コロナウィルス(COVID-19)が猛威を振るい始めて1か月余りが経過しました。
発症された方が一日も早く回復されることをお祈りするとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

さて、ついにこのCOVID-19はパンデミックとなり、世界大戦に匹敵するような経済的被害が発生してしまいました。我が国経済も深刻な打撃を受けています。
このため、日本取引所の新規上場申請については、新型コロナウイルス感染症の影響が事業計画に適切に反映されているかどうかを審査するという項目までできたそうです。

また、人的被害も甚大で、世界では死者が3万人を突破して未だ衰える気配がありません。
特に最近は欧米の発症者の数が多い、地域も限定されていない、ワクチンや有効な治療薬が存在しない、インフルエンザと違い暖かくなっても勢力が衰えない可能性が高いため今後も流行は継続しそうなどの理由から、最終的にはさらにその数は増えるものと予想されます。

その中で、日本は発症者の数が増えていて危険な状態ではあるものの、比較的対応が良く、善戦しているグループに入ると思います。
初動こそ有効な措置が取れなかったものの、その後は早い段階で素早い対応を行い、1000人強(2020年3月29日現在)の発症者で収まっています。
これは政府の対応策に対し誠実な対応を取っている日本在住の方が多いためというのが理由の一つであると思います。

これとともに政府が比較的早い段階で有効な対応を行ったということもあるでしょう。
これはなぜ可能であったのか。
あくまで私見ですが、2009年の豚インフルエンザ(新型インフルエンザ:H1N1)の教訓を彼らが活かした結果ではないかと思います。

2009年の豚インフルエンザの際に、我が国政府は様々な官庁からパンデミックBCMやBCPのガイドライン等が作成・公表されました。
おそらくこれらを彼らも使用したものと考えられます。

このような資料は今もインターネットで公表されています。
一例を以下にあげておきます。

内閣府
事業継続ガイドライン第三版 解説書
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/pdf/guideline03_ex.pdf

中小企業庁
新型インフルエンザA(H1N1)対策のための事業継続計画
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/influenza/download/A_H1N1_BCP.pdf

中小企業BCP策定運用指針
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html

厚生労働省
事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン(改定案)
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0730-13e.pdf

これらは10年以上前のもので、少々古い情報ではないかと思うかもしれませんが、そのようなことはありません。
新型インフルエンザも新型コロナウィルスも同じパンデミックのグループに分類されており、新型インフルエンザのところを新型コロナウィルスに読み替えればほとんどそのまま使えます。

実際に上述のガイドライン等を読み解いていけば、彼らがほぼこれに基づいて動いていることがわかると思います。
喜ばしいこととはいえませんが、10年後に有効性が実証されたということでしょう。

新型コロナウィルスの猛威はまだしばらく続くことが予想されます。
今からでも遅くはありません。
皆様の会社、組織におかれても、パンデミック用のBCM・BCPを構築しませんか?
日本BCM協会では、そのようなご相談をお受けしています。

地震と予知能力

私は、富山生まれ育ちで地元のNTT(当時は、日本電信電話公社)に就職し、情報処理システムDIPS関連ソフトウエアの開発グループに配属していた。もともと北陸は、地震発生の少ない地域であるらしく、少年時代から大きな地震に対する特別な思いを抱いていたようだ、恐怖心が強く、できることであれば、地震発生の少ないこの北陸での生活を望んでいた。

しかし、現実は、そう甘くはなかった。昭和50年に東京勤務を命じられ、郵政省為替貯金システム関連ソフトウエア開発設計を担当した。5年間勤務した後に、北陸に転勤を希望した。

 当時、経理システムのソフト設計グループが金沢にいたので、次期システムの情報処理装置を東京大手町ビルから移設させることになった。兎角、地方の人間は、仕事で上京することは喜ばしいことであり、憧れに近い感情を持った。私もその一人であった。その反面、地震発生頻度の高い土地へは引っ越しには、いささか抵抗があった。

そのころから地震に遭遇しないように極力回避しなければという気持を強く持つようになり、自分に予知能力があれば、いいなと思うようになっていた。

 ナマズと地震について日本で最初に流行したのは、江戸時代・1855年の安政江戸地震の直後に発行された、ナマズの錦絵に由来しているようである。それまで伝承や一部での流言程度でしたが、江戸時代に「ナマズが暴れて地震が起きた!」といいうところから、鹿島大明神がナマズを押さえつけたり、地震に託けて儲けようとする絵が出回りました。

安政江戸地震から約200年経った現在、真面目にナマズと地震予知能力の関係について研究が進められていますが、結論から言うと「ナマズと地震の関係は薄い」ということである。

 情報処理装置の移転設置計画では、次の基本条件を堅持しながら、果敢に遂行していった。

  • 設置コストを必要最小限に抑える。
  • 情報処理装置の性能評価結果より選択する。
  • 設置場所はリスク低減の観点から、地震の発生頻度の少ない地域(金沢など)
  • 空き部屋の利用

当システムの導入には、多額の設計費用を必要としたため、収入の少ない北陸支社では、支社の学園敷地を売却して賄った。このシステムの地方導入施策により金沢に若い技術者が育ち、北陸先端科学技術大学院の創設に寄与したと思っている。

導入当初は多くの批判に晒されたが、これを機にシステムの地方導入が積極的に進められていった

自分の考えを最後まで貫き通して成果に繋がったことに満足している。

人間には、予知能力はないらしいが、予測することはできる。

例えば、首都直下地震が、この30年以内に確率70%で起こり得る、というように。

執筆:和田 正光

今年一年を振り返って

今日で2019年も終わりで、明日からは2020年となります。

今年は、BCM(事業継続マネジメント)という切り口から言うと、「水」の年であったように思います。
地震なども各地で起こっていましたが、やはり台風15号、19号の2つの台風が東日本を中心に大きな被害をもたらしたことが大きかったと思います。

地震も心配ではありますが、ここ数年台風等による水害が猛威を振るっているように思います。
地球温暖化の影響ともいわれ、それが事実であれば来年、再来年も楽観できないことが予想されます。
それ故そのためのBCMの構築、運用が非常に重要になってくる、そう確信できる1年だったと思います。
まだ構築されていない方がいらっしゃいましたら、当協会にご相談ください。

特に東京の下町はゼロメートル地帯が広がり、有事の際は非常に危険な地域となります。
ある方の試算では、大きな水害が発生して荒川や江戸川などの堤防が決壊したり、高潮などで水が入ってきた場合、その半数が地域内で避難できない状況にあるとありました。
そのようなことがあっても生き延びられるよう、きちんとBCMを構築、運用していくことが望まれます。

来年はいよいよ東京オリンピックです。
夏の開催であり、暑さ以外に台風という災害も想定されます。
何事もなければ良いなと思う反面、来年こそそのような有事に備えてBCMを普及、推進していきたいと我々は考えております。

今年一年ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
災害に強い日本に寄与すべく、頑張っていきたいと思います。

品質マニュアルは、品質マネジメントシステムの仕様書か

審査では、前回の指摘事項を確認することになっている。下記の指摘について、指摘のいきさつや、どのように改善したのか確認したかった。

指摘事項(改善の機会)

「品質マニュアルは、QMSの仕様書です(JIS Q 9000:2015 3.8.8項参照)が、2015年版規格の内容の多くは反映されておりません。新規格が運用されていない事例が観察されるため、QMへの規格内容の反映の必要性の検討及び/又は新規格の要員への教育訓練の必要性検討の余地があります。」

審査初日に、管理責任者に確認した。

前回の審査員は、品質マニュアルは、ISO9000:2015 品質マネジメントシステムーー基本及び用語 を引用して、品質マニュアルは、ISO9001:2015 品質マネジメントシステム 要求事項 を引用し、仕様書に即して要求事項をそのまま記述し、組織の適用、手順書他を付け加えて作成するものです とあったという。品質マニュアルは、要求規格を丸写しして、当組織の手順書、記録などを付け加えて作成するとあり、それに、改善して再作成してくださいということであった。

私がいただいた当組織の品質マニュアルは、第1章適用範囲、第2章計画、第3章運用、第4章評価・分析、第5章対策 となっていた。管理責任者に品質マニュアルは、改訂したのですか と確認したところ、新しい審査員が来たとき、確認してから行おうと改訂しませんでしたとあった。そして、私に品質マニュアルは、要求事項を丸写ししたものを作成しなければならないのですかと聞いてきた。

私は、品質マニュアル作成は、規格の要求事項からなくなった、従って、品質マニュアルは、作成してもよいし、作成しなくてもよいですね。また、作成するにしても規格要求事項を丸写しするかどうかは、組織の自由です。皆さんの品質マニュアルは、社内で検討し、このように作成しようと決めたのであれば、それでよいです。

管理責任者は、審査機関の規格説明会で、上記のように聞きました。従って、私たちの組織では、審査機関に渡した、今回私がいただいた品質マニュアルを作成しました。規格要求事項に従ったものではなく、当社の実施すべきことをまとめたものにしました。

前回の審査員との間では、このことを説明しましたか、と聞いた。

管理責任者は、審査員に貴社説明会で聞いたことを話し、品質マニュアルは、規格要求事項ではなくなったので自由に作成してよいと聞き、社内で検討した結果がこのようになったのですと説明した。

しかし審査員は、ISO9000:2015 品質マネジメントシステムーー基本及び用語 の品質マニュアルの用語の定義、品質マネジメントシステムの仕様書 だから、規格の要求事項をそのまま記述し、貴社の手順書、記録などを追加して作成してください とあった。

これについて、管理責任者と審査員のあいだで平行線となった。組織幹部の意見で、審査員の意見を聞いて改善していこうとなり、改善の機会を受け入れた。

管理責任者は、品質マニュアルを改訂せず、今回審査員私の意見を聞いてから、改訂するかどうか決めたいと考えているとあった。そして私の意見を確認してきた。

私の考えは、上記の通りです。品質マニュアルは、作成しても良いし、作成しなくても良いです。作成するとき、どのように作成するかは、組織の自由です。貴社が、作成したもので良いと考えます。付け加えるならば、品質マニュアルは、誰が読むのか、読む人にわかりやすくなっているかが大事だと思います、と話した。

審査員は、品質マニュアルに要求事項に従った記述、規格要求事項のデッドコピーを未だ求めているのかと、非常に古い型の審査員であろう。1994年版までは、これで良かったが、2000年版から規格要求事項のデッドコピーを求めていない。その後の2008年版、2015年版しかりである。無用な要求(改善の機会)は、しない方が良く、組織に無用な混乱を及ぼすことになる。

また、基本と用語にあるが、品質マニュアルが、品質マネジメントシステムの仕様書と位置づけるなら、要求事項に明確に要求されるだろう。しかし要求されていないので、あくまで、参考の位置づけで良いのではないか。それとも、日本語への翻訳で十分意図したものになっていなかったのではないか。

注)ISO9001:2015 品質マネジメントシステムーー要求事項の引用規格としてISO9000:2015 品質マネジメントシステムーー基本及び用語 があるが、審査で使用するのものではない。

マネジメントレビュー開催通知にISO9001:2015の 9.3項により招集と書かれていた

管理責任者インタビューで、マネジメントレビューの結果を確認することにした。

管理責任者にマネジメントレビューをどのように実施しましたかと聞いた。すると、下記のような資料が提出された。

  • マネジメントレビュー開催通知
  • マネジメントレビューの資料
  • マネジメントレビュー議事録

資料が提示されたので、一つ一つ見ていくことにした。

 

まず、開催通知から確認した。開催日、時間及び内容が書かれていた。出席者の一覧があった。出席者一覧の最後に書かれていたのは、「ISO9001:2015の9.3項に従い、招集する、出席依頼者は、全員出席すること」とあった。未だかって、開催通知にISO規格要求項目を書いて、出席依頼していたのを見たのは、初めてであった。また、これは、警察官が犯罪者を取り締まるにあたり、「法令○条に従い、逮捕する」と同じではないかと、違和感を感じた。それで、なぜこのように書いたのですかと質問してみた。

 

管理責任者から、出席が悪いのです。何かと忙しいと言って欠席するのです、とあった。また、品質保証部門の会議には、出席者が喜んでくるものはなく、強制的に出てもらうものが多いのです。

そうか、苦労してマネジメントレビューを実施しているのだなぁー。なぜ、出席しないのだろうか。

 

マネジメントレビューの資料を確認してみた。9.3.2項のインプットに従い、全てを網羅していた。また、議事録を確認した。特に社長指示事項を見た。特に目新しいものはなく、包括的なもので、具体的な指示はなかった。マネジメントレビューは、年1回開催となっていた。

 

これでは、マネジメントレビューが役立っているとは、思えなかった。では、どのようにすれば、効果的なものにすることができるか、頭の中で考え始めた。管理責任者にどのように説明すれば良いか、9.3の条項の内容を思い浮かべながら、話した。規格は、マネジメントレビューは一度に全てを実施するように要求していない。また回数も指定していない。年に一回でも良いが、月に、週に一回でも良い。運用方法を変更することにより、必要な出席者が全て出てくるのではないか。

 

9.3,2項の要求事項

a)「前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況」は、全ての会議で行われるものである。

b)「品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化」は、貴社の予算会議又は経営会議で検討されているのではないですか。予算会議で各部門の目標達成のために外部・内部の課題を書いているのではないですか。前期の結果から今期の目標を記載するにあたり、変化を記載しているのではないですか。予算会議は、必ず期の初めに実施しているのではないですか。

c)は、細分化されているが、1) 「顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック」は、営業会議又は経営会議で実施されているのでないか。顧客の状況及び利害関係者からのフィードバックは、具体的には、何かを考えて、どの会議が該当するかを考えれば良いです。利害関係者に法令・規制事項を入れているのであれば、この変更は、営業会議や経営会議で報告されているのではないですか。2) 「品質目標が満たされている程度」は、品質管理委員会で報告されているのではないか。このように考えていけば、年に1回管理責任者が資料をまとめて、経営者及び役員を招集しなくてもできるのではないですか。

 

管理責任者から、目から鱗で、初めてこのように考えることを聞きました。過去の審査員に聞いたところ、マネジメントレビューは、年に1回社長ほか役員を集めて実施すると聞き、集められなかったのは、管理責任者の責任です、と言われてきました。このようなやり方なら、管理責任者の責務が少なくなったようだ、肩の荷が下りたというか、このようなやり方でやっていきます。心配なのは、次に来る審査員が、このようなやり方で承知するか、心配です。

 

私が、話したように規格には、具体的どのようにレビューするか、頻度や一度の会議又は複数の会議でやるかとは、要求していないことを説明することです。審査員の一方的な解釈ではなく、規格に従って良く相談することと、効果的に実施することを考えた方が良いです。

このように話したが、なかなか自信がないようであった。確かに審査員と渡り合って、堂々と審査員に対して、審査員が間違っていますよということは難しいかもしれない。

特定非営利活動法人日本BCM協会