実質的QMSの実現に向けての支援事業

平成28年度において、当協会主催のISO9001:2015年版規格改正に伴う「認証システムの見直し」に関する公開セミナーを第1回から第4回までを町田市、相模原市、八王子市、大和市に中心に、更に5回目には、大田区及び崎市在住の認証企業を対象に実施してきました。

各セミナーごとにその席上で、自社の認証システムの見直しの状況について伺ったところ、現在、品質マニュアルをそのまま存続させ、その見直しを行う予定、あるいは行っている段階であることを確認させていただきました。

今回の規格改正により品質マニュアルに関する要求事項がなくなり、作成が義務でなくなった現在、改めて品質マニュアルの作成、不作成は、企業の判断に委ねられました。何故作成するのか、その活用が問われています。従来の品質マニュアルは、内部では、不評であり、活用されていないと聞いています。今回、組織として作成、不作成の選択肢とともに、作成するなら有効な、社内にとって役立つものへと改善することが望まれます。規格の章立てに沿って作成することから、活用を考えた目次構成へと脱皮することが重要であると考えます。つまり、規格の要求事項を主体に考えるのではなく、あくまでも自社独自の事業プロセスが主役であり、脇役が必要であればその過不足な部分を要求事項で補うという考え方に立たないと規格の要求事項に結局、迎合した、形式的なものに陥り易くなります。要は、「現実から規格の要求事項を見る」という視点で作成していくことがポイントになります。

これまで多くの企業が、組織の事業目的からかけ離れた形式的な、審査のための品質マネジメントシステムを構築するという愚を繰り返してきました。このような悪循環を断ち切るために、今回の規格改正の意図に沿って本来の事業目的の達成に寄与できる実質的な品質マネジメントシステムの見直しや再構築を考える、ちょうどよい機会であると考えます。

当協会では、組織の設立目的に沿って事業を行って適切で正当な収益をあげることではじめて存続が可能となる本来のシステムを取り戻せるよう、専門家のご紹介等の支援事業を新たに始めております。
●支援事業:「形式的QMSから実質的QMSの実現に向けて」
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