HACCPの義務化

昨年から新型コロナウィルス(COVID-19)によるパンデミックが止まりません。こちらは現在も継続し、ここへきてデルタ株の発症者が急激に増えています。

それだけではなく、水害の方は数年前から台風等による大雨が猛威を振るい、数年前の関西の台風、一昨年の台風15号・19号に引き続いて今年も前線の影響で九州や中国地方を中心に大雨による災害が続いているという非常に厳しい自然災害に見舞われています。

被害に遭われた方にはお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を祈っております。

さて、これだけ色々リスクが顕在化すると、BCMもやることが多すぎて何から手を付けていいのやらという感じです。

そのような中で、ですが、飲食店や食品製造業者といった食品関係の事業者にはもう一つ手を付けなければならないものが増えてしまいました。

それは改正食品衛生法の施行です。

令和3年6月1日、我が国の改正食品衛生法が施行され、HACCPが義務化されました。

概要は、以下のサイトに概要が掲載されています。

HACCPに沿った衛生管理の制度化https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kaisei/haccp.html

しかし皆様あまりご存じないようで、飲食店の方に聞いても知らなかったといわれることが多々ありました。

そもそもHACCPとは何なのか。なぜHACCPが義務化されたのか。
ご存知でない方もいらっしゃるかと思いますので、順を追って説明していきたいと思います。

まずHACCPとは何でしょうか?
これはHACCPとは以下の単語群の略で、危害分析必須管理点と訳されます。

ざっくりいうと、食中毒等が発生しうるポイントを分析し、重要なポイントを継続的に管理等することにより、これらを未然に防ぎましょうというものです。

H・・・hazard=危害
A・・・analysis=分析
C・・・critical=必須
C・・・control=管理
P・・・point=場所・工程

例えば飲食店の場合、材料の納入や保存、調理、保管、提供といった手順があり、それぞれリスクが顕在化する要因があるわけです。

牛乳をテーブルの上に放置して菌が繁殖してしまった、従業員がトイレに行った際に手を洗わなかったため菌が食材や食器に付着してしまったなどが考えられるわけです。

このようなことが起こらないように、現状を分析し、といったシステム化(計画、手順の文書化と記録の保管等)をして、リスクの高いところを重点的に管理しましょうというものです。

ちなみにISOにも食品衛生の分野は存在し、ISO22001がこのHACCPにあたります。

日本でもJFS(一般財団法人食品安全マネジメント協会が作成した規格)という規格があり、同じようにHACCPのような管理をすることになっています。

当協会のメンバーでも対応できる方がいるので、導入を検討されていらっしゃる方はご相談ください。

なぜ義務化されたかということについてですが、これは世界的な流れです。

実は以前から世界的に食中毒防止が課題とされてきたのです。
観光という観点から食中毒防止が注目されています。
そこで、HACCP(ハサップと読みます)の義務化が世界的に進んだのです。

ちょっと遅めの韓国でも10年近く前に法律ができており、このようなことには敏感な欧州などはそれよりずっとまえに義務化されました。

我が国は先進国の中では、この方面で少々遅れをとっていたというのが実情です。
そこでいよいよ法令により義務化となったわけです。

平成30年に法改正し、今年6月から施行されました。

しかし新型コロナウィルスの第5波と重なってしまったためこちらが優先されてしまいそうで、何とも間が悪いことになってしまったものです。

では、施行されて何か変わるのでしょうか。
小規模企業の多い飲食業界です。
義務化して効果があるのかという疑問はあるでしょう。

これはあると考えられます。
飲食店や食品製造業は基本的に許可制です。
つまり許認可が必要となっています。

官公庁の資料を読む限り、ここで許認可の更新の必要書類として、今すぐではありませんが、HACCPが求めている計画、及び記録類を提出する必要が出てくることになります。
ですから変わらざるを得ません。

とはいえすぐに、というわけではないようですが、やらなければ事業ができないというリスクになっていきます。

飲食店などは非常に厳しい状況ではありますが、逆にHACCP導入の良い機会だととらえて、今HACCPを構築し、よりリスクに強い事業体へと体質を強化させましょう。

特に飲食店の場合、今なら保健所が指導してくれそうな雰囲気があります。
今のうちに相談してみてはいかがでしょうか。

東京都の保健所は、以下のサイトに掲載されています。

東京都福祉衛生局 都保健所一覧
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/hc.html

しかし、ある程度の規模の企業などはそのようなわけにもいかないものと思います。
そのときは当協会にご相談ください。HACCPによる手順の作成や記録の残し方につて、一緒に検討し、構築しましょう。

 

 

 

令和2年度 BCP実践促進助成金

新型コロナウィルス(COVID-19:略称「新型コロナ」)が猛威を振るい始めて早半年が経とうとしています。
ロックダウン等の施策や自主的な対策により一時は治まっていたものの、夏本番を迎える現在、新型コロナは再度流行してきています。

今回は、経済的に余裕がないという理由で国では有効な対策があまり打てていないのが現状で、春先の対策が元の木阿弥になってしまうのではないかと懸念されます。ここにおいて、企業や組織も自主防衛が必須となっていると考えられるでしょう。

そのような中、東京都では中小企業者等が策定されたBCPを実践するための設備等の導入に要する経費の一部を助成する助成金、「BCP実践促進助成金」の申請者を募集しています。

BCP実践促進助成金
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/bcp.html

助成対象事業者は以下の通りです。
下記(1)~(3)のいずれかの要件を満たしてBCPを策定した中小企業者(小規模企業者)及び中小企業団体
(1)平成29年度以降に公益財団法人東京都中小企業振興公社(以下:公社)総合支援課が実施する「BCP策定支援講座(ステージ1)」を受講し、受講内容を踏まえたBCP
(2)中小企業強靱化法に基づく「事業継続力強化計画」の認定を受け、その内容に基づいて作成したBCP
(3)平成28年度以前の東京都又は公社が実施したBCP策定支援事業等の活用により策定したBCP

助成対象経費は、策定されたBCPを実践するために必要な設備・物品の購入、設置に係る費用全てで、助成上限額も1500万円(下限額:10万円)とかなりの額が助成されます。

助成率も1/2~最大で4/5と、東京都の本気度がうかがえます。
対象事業者のハードルが少々高いかもしれませんが、会社が新型コロナのクラスターになってしまうと存亡に関わる問題になりかねません。

東京都の中小企業におかれては、本助成金を活用して、この機会にぜひBCPを構築していただければと考えております。

もし本助成金についてご相談等ございましたら、お問合せフォームよりご相談ください。

今こそBCM・BCPの構築を!

新型コロナウィルス(COVID-19)が猛威を振るい始めて1か月余りが経過しました。
発症された方が一日も早く回復されることをお祈りするとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

さて、ついにこのCOVID-19はパンデミックとなり、世界大戦に匹敵するような経済的被害が発生してしまいました。我が国経済も深刻な打撃を受けています。
このため、日本取引所の新規上場申請については、新型コロナウイルス感染症の影響が事業計画に適切に反映されているかどうかを審査するという項目までできたそうです。

また、人的被害も甚大で、世界では死者が3万人を突破して未だ衰える気配がありません。
特に最近は欧米の発症者の数が多い、地域も限定されていない、ワクチンや有効な治療薬が存在しない、インフルエンザと違い暖かくなっても勢力が衰えない可能性が高いため今後も流行は継続しそうなどの理由から、最終的にはさらにその数は増えるものと予想されます。

その中で、日本は発症者の数が増えていて危険な状態ではあるものの、比較的対応が良く、善戦しているグループに入ると思います。
初動こそ有効な措置が取れなかったものの、その後は早い段階で素早い対応を行い、1000人強(2020年3月29日現在)の発症者で収まっています。
これは政府の対応策に対し誠実な対応を取っている日本在住の方が多いためというのが理由の一つであると思います。

これとともに政府が比較的早い段階で有効な対応を行ったということもあるでしょう。
これはなぜ可能であったのか。
あくまで私見ですが、2009年の豚インフルエンザ(新型インフルエンザ:H1N1)の教訓を彼らが活かした結果ではないかと思います。

2009年の豚インフルエンザの際に、我が国政府は様々な官庁からパンデミックBCMやBCPのガイドライン等が作成・公表されました。
おそらくこれらを彼らも使用したものと考えられます。

このような資料は今もインターネットで公表されています。
一例を以下にあげておきます。

内閣府
事業継続ガイドライン第三版 解説書
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/pdf/guideline03_ex.pdf

中小企業庁
新型インフルエンザA(H1N1)対策のための事業継続計画
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/influenza/download/A_H1N1_BCP.pdf

中小企業BCP策定運用指針
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html

厚生労働省
事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン(改定案)
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0730-13e.pdf

これらは10年以上前のもので、少々古い情報ではないかと思うかもしれませんが、そのようなことはありません。
新型インフルエンザも新型コロナウィルスも同じパンデミックのグループに分類されており、新型インフルエンザのところを新型コロナウィルスに読み替えればほとんどそのまま使えます。

実際に上述のガイドライン等を読み解いていけば、彼らがほぼこれに基づいて動いていることがわかると思います。
喜ばしいこととはいえませんが、10年後に有効性が実証されたということでしょう。

新型コロナウィルスの猛威はまだしばらく続くことが予想されます。
今からでも遅くはありません。
皆様の会社、組織におかれても、パンデミック用のBCM・BCPを構築しませんか?
日本BCM協会では、そのようなご相談をお受けしています。

地震と予知能力

私は、富山生まれ育ちで地元のNTT(当時は、日本電信電話公社)に就職し、情報処理システムDIPS関連ソフトウエアの開発グループに配属していた。もともと北陸は、地震発生の少ない地域であるらしく、少年時代から大きな地震に対する特別な思いを抱いていたようだ、恐怖心が強く、できることであれば、地震発生の少ないこの北陸での生活を望んでいた。

しかし、現実は、そう甘くはなかった。昭和50年に東京勤務を命じられ、郵政省為替貯金システム関連ソフトウエア開発設計を担当した。5年間勤務した後に、北陸に転勤を希望した。

 当時、経理システムのソフト設計グループが金沢にいたので、次期システムの情報処理装置を東京大手町ビルから移設させることになった。兎角、地方の人間は、仕事で上京することは喜ばしいことであり、憧れに近い感情を持った。私もその一人であった。その反面、地震発生頻度の高い土地へは引っ越しには、いささか抵抗があった。

そのころから地震に遭遇しないように極力回避しなければという気持を強く持つようになり、自分に予知能力があれば、いいなと思うようになっていた。

 ナマズと地震について日本で最初に流行したのは、江戸時代・1855年の安政江戸地震の直後に発行された、ナマズの錦絵に由来しているようである。それまで伝承や一部での流言程度でしたが、江戸時代に「ナマズが暴れて地震が起きた!」といいうところから、鹿島大明神がナマズを押さえつけたり、地震に託けて儲けようとする絵が出回りました。

安政江戸地震から約200年経った現在、真面目にナマズと地震予知能力の関係について研究が進められていますが、結論から言うと「ナマズと地震の関係は薄い」ということである。

 情報処理装置の移転設置計画では、次の基本条件を堅持しながら、果敢に遂行していった。

  • 設置コストを必要最小限に抑える。
  • 情報処理装置の性能評価結果より選択する。
  • 設置場所はリスク低減の観点から、地震の発生頻度の少ない地域(金沢など)
  • 空き部屋の利用

当システムの導入には、多額の設計費用を必要としたため、収入の少ない北陸支社では、支社の学園敷地を売却して賄った。このシステムの地方導入施策により金沢に若い技術者が育ち、北陸先端科学技術大学院の創設に寄与したと思っている。

導入当初は多くの批判に晒されたが、これを機にシステムの地方導入が積極的に進められていった

自分の考えを最後まで貫き通して成果に繋がったことに満足している。

人間には、予知能力はないらしいが、予測することはできる。

例えば、首都直下地震が、この30年以内に確率70%で起こり得る、というように。

執筆:和田 正光

今年一年を振り返って

今日で2019年も終わりで、明日からは2020年となります。

今年は、BCM(事業継続マネジメント)という切り口から言うと、「水」の年であったように思います。
地震なども各地で起こっていましたが、やはり台風15号、19号の2つの台風が東日本を中心に大きな被害をもたらしたことが大きかったと思います。

地震も心配ではありますが、ここ数年台風等による水害が猛威を振るっているように思います。
地球温暖化の影響ともいわれ、それが事実であれば来年、再来年も楽観できないことが予想されます。
それ故そのためのBCMの構築、運用が非常に重要になってくる、そう確信できる1年だったと思います。
まだ構築されていない方がいらっしゃいましたら、当協会にご相談ください。

特に東京の下町はゼロメートル地帯が広がり、有事の際は非常に危険な地域となります。
ある方の試算では、大きな水害が発生して荒川や江戸川などの堤防が決壊したり、高潮などで水が入ってきた場合、その半数が地域内で避難できない状況にあるとありました。
そのようなことがあっても生き延びられるよう、きちんとBCMを構築、運用していくことが望まれます。

来年はいよいよ東京オリンピックです。
夏の開催であり、暑さ以外に台風という災害も想定されます。
何事もなければ良いなと思う反面、来年こそそのような有事に備えてBCMを普及、推進していきたいと我々は考えております。

今年一年ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
災害に強い日本に寄与すべく、頑張っていきたいと思います。

地震が日本の歴史を創造

地震が起ったために、その後の歴史が変わったといわれる地震や津波がある。
人知の及ばない自然現象は「天の采配」として、時の権力者や権力を狙うグループに襲いかかる。
我々は歴史の結果を知って批判をしているが、当事者は必死にもがいているだけである。

地震や津波の被害に対する応急処置の良し悪しによって、時の権力者の良し悪しの評価となり、時の天皇や将軍を支持していくかどうかの判断をした。
つまり税金や食糧の出納を行っていくかどうかの判断を責められたのである。
平安時代には天皇の詔で対処した。
鎌倉時代には宮将軍が地震を理由に京都へ追い払われた事例もある。
もっとも、鎌倉の執権北条氏と朝廷との争いの結果ではあるが、飾り将軍が意思を持つと排除された。

源平合戦(1180年〜1185年)にも地震が絡む。1185年(元暦2年3月24日)の「壇ノ浦の戦い」後、7月9日に起きた「文治地震」は琵琶湖西岸断層帯の南部堅田断層から大地震が発生した。京都は壊滅的被害を受けた。しかし、地震の被害は全国にまたがり南海トラフの巨大地震であったと推定される。平家の元所領であったが頼朝の所領になっていた西国や日本海側も被害甚大、そのため世間では「平清盛が龍になって地震を起こした」と噂され、「龍王勤(りゅうおうきん)」とも呼ばれている。源頼朝にとっては地震が追い風となり「武士の時代を開く鍵」となった。

1185年(文治元年12月21日)には「文治勅許」で頼朝に守護・地頭の設置を許し地震の復興を行わせた。元所領の地震災害に貢献できなかった西日本の平氏は出る幕がほとんどなくなった。しかし、頼朝は源義経を追討し、ついでに奥州の藤原氏を壊滅させた。

もともと頼朝が関東の戦いで勝ちえたのも関東の武士達の朝廷に対する不満が潜在していたからである。
878年(元慶3年9月29日)には相模・武蔵で伊勢原断層による地震が起き、相模国が大きな被害を受けた。
関東諸国の建物で無傷なものがなく、圧死者が数知れずといわれている。

朝廷では嵯峨天皇の「不徳の詔」を出したが、それで地震の被害者が救われたわけではない。
9年前の869年(貞観11年5月26日夜)に古代最大の地震である「貞観地震」も経験していた坂東以北の武者たちは源義家と奥州で戦った武者達の子孫でもある。
劣勢の頼朝に味方して朝廷の一旦であった伊勢平氏と対立していった。もともと、坂東八平氏から離れていった分家が伊勢平氏であり、平清盛はその子孫である。

伊勢原地震の頃の朝廷側では菅原道真が「地震の成り立ち」の試験問題を答えて官位に採用された。地震が頻繁に起こっていたから試験問題になったのであるが、回答は唐の漢文による知識であった。
道真が藤原氏の他氏排除による失脚後、関東では平将門の乱が起った。
同族の領地争いが原因であったが、藤原氏の他氏排除の政策の延長に起こった反乱であった。

源氏でも源高明が「安和の変」で失脚し、朝廷は藤原一色の摂関政治になった。
奥州では「前五年・後三年の役」が起り、源氏の戦いに関東の武者達も戦いに巻き込まれていく。

伊勢平氏から出た平忠盛が荘園を寄付して昇殿を許され、京都では平氏の分家が源氏と争い、政権の座についた。
関東では平将門を成敗した武家の子孫同士が、敵味方に分かれての混乱は「平将門の怨霊」が災いして頼朝の縁者を排除して、鎌倉幕府として日本を統治していく。

1290年(正応6年4月12日)の「永仁鎌倉地震」の後で「平禅門の乱」が起った。
執権北条貞時が地震の災害の大きさ恐怖となり内官領の平頼綱に権力が争奪されるとの妄想にとらわれたヒステリー粛清劇であった。
鎌倉の平氏が滅亡していく内紛でもあった。40年後に源氏による室町幕府ができるのも永仁鎌倉地震の結果であろう。

1498年(明応7年8月25日)の「明応東海地震」の後には二人の足利将軍(義植と義澄)の対立に発展していく。
津波によって鎌倉の高徳院の大仏の台座が流された。大きな津波地震は当然、大きな災害であった。
西伊豆や沼津などでは10メートル〜30メートルの大津波が押しよせ、被害甚大であった。
そんな状況下で室町幕府の政所執事の伊勢守時が今川氏の縁者として将軍足利義澄の「義兄堀越公方茶々丸討伐の命」を受けて伊豆入りした。

地震によって浜名湖が淡水湖から海岸線がえぐられ淡水湖から汽水湖になったため将軍足利義植方の西方からの兵は攻めてくることはなかった。
盛時は足利茶々丸を敗死させ、「四公六民」の善政を布いた。早雲は韮山城を居城としていたが、小田原城を攻め「下剋上の先駆け」となった。  
伊勢盛時は伊勢新九郎とも北条早雲ともいわれている。
鎌倉幕府の北条の家の子孫とも縁を結び、関東に覇権を及ぼしていった。

早雲の孫の北条氏康が後北条として関八州を平定するが、戦国時代には徳川家康が江戸城に入城して、後北条の関八州をそっくり手中に納め、徳川幕府の拠点となった。
現在、江戸城は明治維新により皇居になったが明応地震の結果ともいえる。

時の流れを一挙に過去から現在へシフトさせると、首都直下型地震が4年以内に起こる確率は70パーセントと発表されている。
また、南海トラフト巨大地震が今年中に起こると予言する人もいる。予知研究を行っている村井俊治元教授は伊豆半島付近より南の太平洋が怪しいと明言している。
電子基準点を16基設置することを予定した。

しかし、科学的予想をあざ笑うがごとく、大阪北部で断層地震が発生した。
それに加えてゲリラ豪雨が西日本各地を襲った。川が逆流する災害も発生した。
東から西に向かう台風も起こった。
突然、首都圏ゲリラ豪雨も発生し、経験のない都民もその恐怖を味わった。

現代では首相が集中豪雨地を視察し、国の災害費用の供出で国の安全が保たれている。
ボランテアの活動で国民がその状況を確認し、どう評価するのかによって政権の良し悪しの基準にも影響し、審判が下る。
次の大地震によって歴史はどう変遷していくのだろう。
2018年(平成30年9月6日)に北海道で強度7の大型地震が発生した。全道で電力の供給が停止に追い込まれた。

当然、インフラもバタバタになり、携帯も電源の補給ができなくなり、旅行客が親や知人に無事を連絡できず困惑している。
NTT東日本では公衆電話を無料にして旅行客などに提供した。
賢明な判断であった。

関係者への状況連絡は精神的な安心につながる。
高度情報化の社会の日本の未来に不安が拡大していく。

日本中、どこにいても地震災害にぶち当たる。対岸の火事ではすまされない。
それらの災害は「想定内の災害」とみるべきである。
現在の住居の場所に地震災害が起こる可能性が常にあることを認識し、BCMの考え方や手法を取り入れて①事前に予防策や代替策を講じる。②発生後の被害を極力押させる手立てを事前に講じておくかどうかで生死を分けるほど重要であると考えなければならない。

NHK総合テレビのクイズバラエティ番組のチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねよ!」と叱られそうだ。

担当:和田

内部監査の目的

私は、ISO9000の審査員を1995年から行っている。1994年版が出た直後であった。94年版から審査を始めた。審査では、登録認証(登録審査)、維持認証(定期審査)(注1)を通して、適合性を見ていた。不適合を見つけることが楽しみであったかもしれない。その後、2000年改訂を経験し、審査員として、考え方が変わってきた。それは、不適合を摘出することも大事だが、受審組織が審査を受けて、良かったと感じるかどうかを考え始めた。それは、要求事項に書かれた文言だけの審査からの脱皮を意味していた。いやいや文言の解釈には、受審組織、審査員により、異なるものがあった。

94年版の審査は、簡単であった。要求事項どおりであればよかった。箇条に従って審査すればよかった。文言も同じものを要求していた。しかし00年版から、受審組織の文化、風土を尊重し、言葉も受審組織の言葉を使っていこうとなった。審査方法も顧客の業務の進め方、プロセスに従って行う、プロセス審査となり、規格要求事項の箇条どおりではなくなった。このような中で、「受審組織が審査を受けて良かった」と感じるには、どうしたらよいかを考え始めた。審査方法が変わり、容易に結論は出なかった。審査員として、顧客が実施している内部監査を見ることは、手短な効果を上げるものだと考えた。

どこの受審組織も内部監査は、実施している。いや9001:87から今も9001:2015でも内部監査は、必須であり、内部監査を実施していないと審査を受けられないものである。私は、内部監査の効果は、内部監査の目的設定にあると考え、受審組織がどのように目的を設定しているかを見ていった。大きな組織では、ISO9001:2015要求事項と同じく、
a) 次の事項に適合している。
1) 品質マネジメントシステムに関して,組織自体が規定した要求事項
2) この規格の要求事項
b) 有効に実施され,維持されている。
をそのまま記述しているものが多かった。中小企業では、コンサルタントから言われて、目的を、「定期監査」と記述しているものが多かった。また監査の目的を書いていない受審組織もあった。

内部監査の目的について、何も書いていないのは、論外かもしれないが、審査を受けるにあたり、規格が要求しているから、実施しているのだと言わんばかりの受審組織があった。
内部監査の目的を「定期監査」としているのは、監査の種類を表すものであり、目的ではないと説明し、上記ISO9001:2015と同じくa)、b)が目的を示していると説明した。監査計画書で、上記a)、b)を記述している受審組織には、適合性は、登録審査、移行審査にて、概略、クリアしているのではないか。適合していることを確認する、いや不適合を見つけることを目的にして、効果が上がるだろうか、被監査部署は、いい感じがするだろうかと疑問を投げかけた。そして、b)の「有効に実施され、維持されている」とは、どんなことだろうかと議論していった。

時間の経過とともに、ものごとをなしていく、受注の獲得、設計、製造及び品質保証を通して結果を出すために、やり方(手順)、設備、人、材料、評価等4M,5Mは変わっていくでしょう。その変化に品質マネジメントシステムが対応しているかを見ていく必要があるのではないだろうか、と話した。また逆に他社や業界の変化から自社の立ち位置を確認し、4M,5Mを変更することを促し、品質マネジメントシステムをスパイラルアップしていくのも必要ではないか と話した。これらについて、受審組織の了解を得た。

更にa)の適合性については、9001規格要求事項及び社内で規定した要求事項等をそのまま箇条通り確認して効果が上がるだろうかと話し、プロセス審査なので、業務の流れ、ものの流れに従って確認していくと良いと話した。規定と現実の相違については、議論し、多分規定に無理があるのではないかと話し、不適合にするのではなく、手順ほかの改善につなげてはどうかと話した。更に顧客クレームや内部、外部で発生した不具合、不適合について、横展開、規定と現実を再確認し、よりよい4M、5Mにするよう改善を見いだす監査にしたらどうかと提案した。

このような審査をしていく中で、内部監査の目的をただ、a)、b)と書くのではなく、更に具体的に、目的を狭小化することにより、効果が上がるのではないかと話してきた。例えば、○○のトラブルの発生により、手順、設備、人、材料、評価等をどのように見直したか(他部署の確認を含む)、それは、次の△年に耐えられるか と書いたらどうかと話してきた。受審組織で、これを実践しているところは、内部監査で被監査部門から喜んで受けるようになり、効果が上がってきていると聞いている。更に他の審査員がこれを見習い、内部監査の目的が具体的になっていないと改善の機会に指摘するものを見いだすと、何かうれしい気持ちになる。

注1:更新審査、再認証審査は、その後に始まった。

藤井 敏雄

ISO取得に関する助成金情報(東京都大田区)

公益財団法人大田区産業振興協会(東京都)では、ISO9001等の取得経費の一部を助成しています。
応募に際し、様々な条件がありますので、以下URLを一読してからお早めにご応募ください。

尚、人気があるとのことで、この案内を掲載された後に、募集終了になっている可能性があります。その際はご容赦願います。
ISO認証に対して助成を行なっているところは多くはありません。
大田区ある企業のみなさんチャンスです。条件が合えば是非ご検討を。
http://www.pio-ota.jp/business-consulting/business-supoort-services2.html

なぜ日本人はリスク管理が苦手なのか

あなたはリスクという単語の語源をご存知でしょうか。
諸説ありますが、先日リスクマネジメントの分野でも有名な片方善治が、リスクの語源はラテン語の「risicare」であるといわれていました。
この単語は、「勇気をもって試みる」という意味なのだそうです。
だから、リスクという単語は、元々危険なものというような意味ではないということです。

この「勇気をもって試みる」という行動、どこかで見たり聞いたりしたことはありませんか?
実はこれ、RPGゲーム「ドラゴンクエスト(通称ドラクエ)」そのものであるということができます。
伝説の勇者が強大な悪の魔王に立ち向かうため勇気をもって行動し、仲間や情報、武器や防具を整えてこれを倒しに行くというのは、まさに大いなる「リスク」なのです。

そう考えると、日本人はリスク管理が苦手というのは、どうも違うような気がします。
300万本以上売れる一大ゲームソフトが好きな国民がリスク管理が苦手ということはちょっと考えにくいことです。
もしリスク管理が苦手なら、ドラクエをやりたいと思わないでしょう。

だから、おそらく日本人はリスク管理が苦手なのではなく、リスクの定義が苦手なのではないかと思います。
日本でリスクといえば地震や台風等の天災が主なリスクと考えられています。
これらは克服することが非常に困難で、しかも一時的なものなので、「勇気をもって試みる」という種類のものではなく、「最小限の被害でやり過ごす」のが合理的なものということになります。
それらをリスクとして認識しているので、リスク=危ない⇒適当にやり過ごそう、というロジックになるのではないでしょうか。

BCPやBCMでいいう「リスク」は組織の健全な存続を脅かすものであり、天災がすべてではありません。
その天災以外の事象に対し「勇気をもって」その克服を「試みる」ことが必要です。
もちろん天災も被害を最小限に抑えるという「risicare」は必要ですが、そこで思考が止まってしまっているのが、日本人はリスク管理が苦手と言われる一因ではないかと我々は考えています。

どうでしょう。
ここらへんで一度リスクというものをもう一度整理してみては。
ドラクエだって、最初(LV.1)から悪の魔王と乾坤一擲の大勝負などしません。
情報を集め、倒せる方法を見出し、力を蓄えてラスボスに挑みます。
BCPやBCMもそれと同じようにすれば、苦手意識も消えるのではないでしょうか。

「認証システムの見直し」セミナー

来る平成29年10月24日(火)、標題のセミナーを開催させていただきます。
一昨年、品質マネジメントシステム(QMS)が規格改正されたため、その移行に関するセミナーとなります。
今回もQMSの主任審査員の方を講師にお招きして、改正のポイントをご説明いただきます。

日程等は以下の通りです。

1.開 催 日: 2017年10月24日(火)
2.時   間: 14:00~15:00  受付開始 13:45より
3.場   所: 大田区産業プラザPIO F会議室 6階
(1)参加費: 無料  
(2)定員 : 先着20名限定(QMS認証取得企業対象)

詳しくはこちらのチラシをご覧ください。
規格改正セミナ-(蒲田)10/24

お申込は、当HPお問い合わせ(下記リンクとなります)からお願いします。
https://www.jbcmi.org/contact

特定非営利活動法人日本BCM協会